「桜」のイメージ・シンボル

「桜」のイメージ・シンボル

桜は春のシンボルであり、生命が春になって甦ってくることのシンボルです。そして、日本のシンボルとも言えましょう。

 

「桜」=「日本」のイメージはいつから?

しかし、桜がこうして日本人の心に深く根付いたのはそんなに古いことではありません。桜そのものは日本に数百年前から生息していたのですが、たとえば中国の影響の強かった奈良時代には、花といえば、桜ではなくて、梅でした。 万葉集でも、梅を詠んだものが118首、桜を読んだものが44首です。

ついでながらこの万葉集の中で一番たくさん読まれている花は、桜でもなく梅でもありません。 萩の花が一番多くて、142首読まれています。

 

有名な天神様の歌、

東風吹かばにほひおこせよ梅の花主なしとて春をわするな

この歌は梅です。これは拾遺和歌集にのっています。

 

道真が祭られている天神様や天満宮の社紋はすべて梅の花のモチーフです。

 

競技かるたの最初に詠まれることになっている王仁の歌、

難波津に咲くやこの花冬ごもり今は春べと咲くやこの花

のこの花は梅の花です。王仁は応神天皇の時に百済から日本へ来ていますから紀元270年ごろの人です。古事記や日本書紀にも出てきます。

 

古今集を編纂した紀友則の歌、

ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ

この歌の花は桜です。 古今集では、梅の花が20首、桜の花が55首詠まれています。

 

平安時代になり、日本は次第に中国の影響から抜け出ます。それと並行して桜が愛でられるようになったとも言えましょう。

桜が日本人の心に人気を得てゆくのは、雅と無常そして潔さの象徴としての桜が日本人の心に響いたといえましょうか?

 

嵯峨天皇は桜をことのほか愛して、紀元812年には神泉苑で花見の節会を催しています。これは記録に残る最古の花見です。紀元831年からは花見が宮中に移って天皇主催の定例の行事になっています。明治からは東京の新宿御苑で天皇出席のもとに観桜会が催されています。

 

 

 

外国における「桜」のイメージは?

これほど日本人に親しまれ愛されている桜も、外国では特別な花という印象はないようです。 聖書は神話にも出てきますが、そんなに重要なシンボル的な意味を与えられてはいません。

サクランボは、<陽気さ、処女性、豊産>、桜の木が<禍より守る木、偉大なる精霊、教育、謙譲、富、歓待>を象徴するといわれています。次の表現からもこのイメージ・シンボルが読み取れます。

 

「桜」の外国語表現

英語ですと、桜の木も、桜の実(サクランボ)も同じcherry という単語で表します。

- the cherry on the cake the cherry on the top  [予想外のおまけ(付録)]

- have another (a second) bite at the cherry  [もう一度チャンスがある、 もう一度やりなおす]

 

これがフランス語になりますと、まずサクランボは "cerise" 、桜の木は "cerisier" で同じ単語を使いません。英語と同じような表現がありますが、ニュアンスがかなり違います。

- Devenir rouge comme une cerise [真っ赤になる]

-  temps des cerises [春]

-  avoir la cerise [いつも運が悪い、ついていない]

-  C'est la cerise sur le gâteau. [小さいこと、些細なことだけどすべての状況を変えてしまうようなもの、計画や仕事を完成するとき(=画竜点睛)]

 




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