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サン=テミリオンの哲学の祭典

2017年05月27日(土)


ボルドーのサン=テミリオンといえば、ワインの最上級品・グランクリュをいくつも生産していることで有名です。

コクがあり、力強く、豊潤で、美しいガーネット色のグランクリュは、「ボルドーのブルゴーニュ」などと言われることもあります。

シャトーオーソンヌやシュバルブランはワイン好きにとっては垂涎の的ですね。

 

 

そのサン=テミリオンで毎年今の季節になると、「フィロゾフィアの祭典」が催されます。

今年は5月24日から28日までです。

 

 

ユネスコの世界遺産にも登録されているサン=テミリオンの町で、5日間にわたって哲学者、科学者、人類学者、芸術家、ワイン研究家などが、一般の人を巻き込んで議論や講演あるいはアトリエなどを開きます。

 

サン=テミリオンの修道院やワイン製造所、あるいはブドウ畑が、哲学のための舞台となります。

 

 同時に、散歩やアペリティフや映画などの機会に哲学をしようという企画もあります。

 

いかなる形も哲学をするには良い、というのがこの企画の底に流れている考え方です。

 

そうです、この祭典は「スピリッツの祭典」なのです。

 

 

 サン=テミリオンでこの祭典が開催されるようになったのは、舞台演出家のEric Le Collenのイニシアティブによります。

彼はイタリアで2001年から開催されている「フィロゾフィア」に参加し、すっかり気に入ってしまったのです。

 

 

こうして始まったサン=テミリオンの「フィロゾフィア」は、今年で11回目を迎えました。

 

サン=テミリオンの「フィロゾフィア」責任者のCécile Dégrois 曰く:

「古い石たちが素晴らしく思考を共鳴させるのです」

 

「多くの一般の人々が自分家の扉を開け、ボランティアとしても参加します。彼ら自身は哲学者ではありませんが、こうして身近に偉大な現代の哲学者たちに接することができるのを幸せだと考えるのです。前の祭典の時には、95歳になる哲学者のMarcel Conche の世話をしながら2時間も議論ができたと感動していたボランティアもいました。」

 

 

2015年のテーマは、「権力」。

2016年のテーマは、「カルチャー」。

そして今年のテーマは、「身体」です。

 

 

今年のテーマは「身体」ということで、前回2回のテーマよりも抽象的ではないような印象を受けますが、それは抽象的な思考と具体的な経験の世界の間を共鳴させるものだということができるでしょう。

 

私たちの時代は、身体というのは、私たちの一人一人にとって中心問題といえます。

 

 

 本屋さんの売り上げを見ても哲学というのが現代たいへん多くの人に注目されているのがわかりますが、2016年は約6000年を集めたこのサン=テミリオンの「フィロゾフィア」の成功もその例といえます。

 

 

この祭典はすべての人に、「学ぶことと理解することの喜び」の機会を与えることが目的といえます。

 

ほとんどのイベントが無料で誰でも参加できますが、だからと言って、そこに哲学の厳しさがないわけではありません。

 

 

この「フィロゾフィアの祭典」はアテナイの哲学の学校であるリュケイヨンを開いたアリストテレスに通じるものがあります。

 

アリストテレスは、朝のうちにもっとも哲学的に優秀な人々向きに哲学をおしえ、夕方になると、一般向けに哲学をおしえたといわれます。

 

その方法は、ギリシア語の「ペリパトス」、つまり散歩をしながら哲学を教えたのです。

 

 

サン=テミリオンの「フィロゾフィアの祭典」も牧歌的な地方の中で散歩をしながら哲学をするということが目的です。

 

今年は作家のOlivier Bleys が散歩しながら「歩く身体」というテーマで話をしてくれます。

 

その他たくさんのプログラムがあります。

 

まさに、パスツールの次の言葉を凝縮するイベントですね。

「ワインの一瓶の中には、すべての書物の中にかかれているよりも多くの哲学がある」

 

 

 

テーマ:哲学の祭典、サン=テミリオン、Pholosophia