フランスのおばあちゃんの知恵

2018年05月27日(日)カルチャー 

日本でも見直されているおばあちゃんの知恵。おばあちゃんの知恵は、誰もが簡単に医者に行ける時代ではなかった頃から発展してきた無名の人々により積み重ねられた家庭医学であり、貴重な知恵であり、豊かな文化でもあります。

そんなおばあちゃんの知恵は世界各国にあるものです。

この記事では、フランスのおばあちゃんの知恵“Sagesse de Grand-Mère”を、科学的観点も含めてご紹介します。

 

 

フランスのおばあちゃんの知恵

(1)頭痛・偏頭痛にはエクスプレッソ

頭が痛いときには濃いコーヒーを飲むと痛みが和らぐ、とフランスでは昔から言われています。『頭痛と痛み』という雑誌に発表されたノルウエーの研究によると、痛みを和らげるだけではなく、通常コーヒーを飲んでいる人は、偏頭痛の発作が起こることが少ないということです。 この研究によるとニューロンから発せられる物質の受容体であるアデノシンをブロックするということです。アデノシンは、頭痛の最中の興奮度を増し血管を収縮させます。 カフェインは血管の収縮作用と反炎症作用を持っています。カフェインは、アスピリン、イブプロフェン、パラセタモールなどの鎮痛剤の効果を40%くらい増加するといわれています。 30年以上コーヒーの医学的効果を研究しているフランスのAstrid Nehlig によれば、こうしたコーヒーの効果を効率よく出すには一日3杯か4杯のコーヒーが適度で、それ以上飲むと逆の現象が起こることがあるということです。

 

(2)口内炎にはバジリコを

口内炎の不愉快な刺激にはバジリコの葉をかむとよいといわれています。ハーブ薬学雑誌に2007年に掲載された研究によると、口内バクテリアに対してバジリコが効果的であり、消毒と炎症を収めるのにも効果があるということです。100グラムのバジリコの葉を沸騰した1リットルの湯に入れて30分煮込みます。一日に数回このバジリコの煮込み湯でうがいをします。

 

(3)便秘にはドライスモモ

乾燥スモモが便秘にきくのは、一つには繊維質が多いからですが、同時にソルビトールという糖質を豊富に含んでいるからです。この事実はロンドンのキングスカレッジの研究者たちによって2015年に証明されました。ヨーロッパ共同体の委員会は乾燥スモモの生産者に「胃腸の働きを正常化するのに効果がある」と記すことを認めました。一日に100グラムのスモモが適量だといわれています。これは、だいたい、8~10個の乾燥スモモにあたります。お好みに応じてリンゴのコンポートと一緒に食べるとおいしさUPです。

 

(4)レモンジュースは吐き気・悪心対策に

この古くからあるおばあちゃんの知恵は、アメリカのスターたちによってふたたび現代で流行しています。レモンというと酸っぱいというイメージから酸性のように思いがちですが、レモンは塩基性(要するにアルカリ性)のため、胃の酸を中和します。そして、レモンはビタミンCをたくさん含んでいます。抗酸化性ですから、この柑橘類が再生作用や抗がん性を持っていることがわかります。韓国の研究者のJim Bae と E.J Lee がレモンの効用について活発に研究していることで有名です。彼らの研究によれば、膵臓、肝臓、胃を健康に保つのにレモンは効果があるということです。 より効果的にレモンを飲むためには、朝起きてまだ食事前の空腹のときにぬるま湯に混ぜて飲むと、無用に消化器官を刺激することなく良いということです。

 

(5)免疫力を高めるために冷たいシャワーを浴びる

毎朝冷たいシャワーを浴びることで、病気にならないとフランスでは言われています。寒冷であることが血管を縮め、その後拡張しますから、血液の流れがよくなるそうです。脈管学の Philippe Blanchemaison によると、細胞がそれによってよりよく養われ、老廃物がより取り除かれることになります。また、寒冷がより多くのエンドモルフィンを出させ、痛みを和らげます。そして免疫の細胞といえるリンパ球がぐっと増えます。抵抗力を高めるといわれています。 この現象を基に「氷の男」といわれたオランダ人の Wim Hof が世界中で寒冷によるセラピーを広めているのは良く知られていることです。 過呼吸と氷漬けを基にした瞑想によって、関節の問題や呼吸の問題をはじめとして癌やパーキンソンなどを治療しようとしています。

 

(6)小さな傷口を消毒するにはタイムのハーブティー

タイムは優れた消毒効果を持ちます。同時に傷口を乾燥させることなく癒着させます。ベルギーの研究によると、タイムのエッセンシャルオイルである thymol が大腸菌やレンサ球菌など多くの菌に効果的であることがわかっています。 咳や風邪、あるいはのどの痛みなどの多くの薬はタイムを含んでいます。傷口にはガーゼに含ませて使います。 傷口に使う場合にはまず傷口を水でよく洗います。10のタイムの小枝を20分ほど煮詰めガーゼに浸して傷口に使います。

 

(7)トラコーマ・結膜炎にはカモミーユのガーゼを

トラコーマや結膜炎には昔からカモミーユのガーゼを押し当てて治しました。ナントの薬学部の研究では、こうした炎症やうっ血に対する効果は、カモミーユに含まれる強い反酸化性のあるフラボノイドのおかげではないかと結論しています。 カモミーユの生暖かい煮汁を、少なくとも一日に6回はガーゼに浸して瞼に押し当てます。このガーゼを冷蔵庫で冷やして目の隈や目の下のたるみに押し当ててうっ血を除くこともできます。カモミーユのハーブティーの袋を使うこともできます。もしも赤みが出てきたりした場合には、治療をすぐにやめます。カモミーユはアレルギーを引き起こすこともありますのでご注意を。

 

(8)イボにはケシ科のクサノオウ

フランスではおばあちゃんが野生の花を摘んできて孫にできたイボに押し当てているのを良く見ます。「イボのハーブ」といわれるケシ科のクサノオウは、黄色い花をつける草で古代から薬草として用いられていました。今日ではこの草の汁には強いアルカロイドが含まれていることが知られています。このアルカロイドがイボを破壊するのです。ちょうど薬屋さんで売っているクリームに含まれている酸と同じ働きをします。 この草は毒性がありますから絶対に食べてはいけません。この黄色い汁はすべての種類のイボにきくわけではありませんし、また再発を予防するわけでもありません。それにイボはウイルスによって発生することが多く、多くの場合には自然に、数週間から数か月のうちになくなってゆくことが多いとのことです。

 

(9)重い風邪の後にはエッグノッグ

エネルギーには糖質、たんぱく質には卵と牛乳、殺菌と刺激剤にはシナモンとナツメグ。これが病人を元気づけるエッグノッグの秘密です。エッグノッグの作り方は、25グラムの砂糖に卵を一つ、そこに牛乳を10cl加えます。それらを鍋で温め、そこに一つまみのシナモンと、ナツメグを一つ加えます。アツアツになる前に火をとめます。エッグノッグはなま温かい状態で飲みましょう。

 

(10)カラダを強くするには肝油

古くから人々はオメガ3の存在を知らずにして使うことを知っていました。フランスではクル病対策に子供たちに肝油を飲ませました。彼らはクル病から子供たちを守るために子供たちに肝油を飲ませることで、人の体内ではほとんど作られることのない必須脂肪酸であるDHAやEPAを補足したのです。肝油は、心臓のシステムを守り、骨の形成を助け、目や皮膚を強くします。今日私たちはそういった必須脂肪酸を必要としているのはむしろ大人であることを知っています。タラの肝油は有名ですが、オキアミの群れから作られるカプセルがオメガ3を豊富に含みかつ嫌なにおいがないことで知られています。

 

(11)歯の痛みを和らげるのにクローブを

歯の痛みを和らげるのに一番使われているのがクローブです。この作用は今日ではE委員会(ヨーロッパ共同体内で権威のあるドイツの食糧科学委員会)が認めるところです。クローブは70~90%のオイゲノールを含みます。オイゲノールは、抗バクテリア、殺菌、抗真菌作用があると言われています。 早く効果を得るためには痛んでいる歯の上にクローブを置いて歯を強くかみしめます。すぐに効果がわかります。あるいはクローブのエッセンシャルオイルを綿棒にしみこませて痛む部分に塗り込みます。

 

(12)リュウマチや湿疹にはオートミール

2000年以来、あるいは化粧品科学者の国際会議以来、オートミールが清掃と水化の大きな効果を持っていることが知れ渡りました。オートミールは不純物や残存物を吸収し、かつ皮膚のpHを守ります。いらだつ皮膚をやわらげ、湿疹や蕁麻疹、乾癬のような病気のかゆみからも守ります。 石鹸やジェルあるいはクリームなどの製品にはよく含まれています。 オートミールは同時にミネラルとビタミンを豊富に含んでいる食べ物です。特に抗炎症性のあるビタミンBが豊富です。このオートミールをフランスではおじいちゃんおばあちゃんがリュウマチを和らげるのに使ってきました。 1リットルの熱湯で10~15分間ビオのオートミールを煮詰めます。フィルターに入れ、お風呂の熱い湯の中にそそぎます。10~15分間このお湯の中にゆっくりと浸かります。 ビオのお店やハーブのお店では、コロイダル・オートミールの袋入りがありますから、それはお風呂の熱湯に直接入れることができます。

 

(13)熟睡するためにコップ一杯のミルクを

今日ではこのおばあちゃんの知恵は、セロトニンの前駆体であるトリプトファンというアミノ酸のおかげであるということがわかっています。このトリプトファンは脳と消化器官の中に存在して私たちの生物学的なリズム、睡眠と起床のリズムをコントロールしています。 はちみつと一緒に取るとよいでしょう。はちみつがわずかのインシュリンの分泌を促してトリプトファンが神経システムに到達してセロトニンに変化するのを助けます。 はちみつ分だけカロリーが増えている点には気を付けましょう。

 

※この記事で紹介されているフランスのおばあちゃんの知恵は、医師や健康の専門家のアドバイス・助言に代わるものではありません。医療や健康法は一人ひとりの心身の健康状態に依存いたしますので、医師や薬剤師等の助言を得るようにしてください。

 

テーマ:フランス、おばあちゃんの知恵、家庭医学、ビオ

 

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