フランスにおける先延ばし症候群

2018年04月07日(土)カルチャー 

“先延ばし症候群”とは、やるべき行動を遅らせることです。 わたくしたちは多かれ少なかれこの傾向を持っていますね。

 

私たちが先延ばしにするときには、たいていその行為をするということが、フラストレーションや不安などの原因となるように思えてストレスを感じる時です。 先延ばしの特徴は、やるべきことを先に延ばして昼寝をしているという豪傑よりも、たいていの場合には、やるべきことの順番を変えてストレスを引き起こすものを後回しにする、容易に見えることを先にして困難に思えるものを後回しにするというようなものですね。

 

こうした先延ばし症候群の心理的解析をするのはなかなか興味深いのですがあまり深入りせずに今日はフランスにおけるこの先送り症候群に関する統計を見てみましょう。

 

先延ばし症候群の統計

ジャン・ギャバンやアラン・ドロンなどのフランス映画の主人公を見ているとフランス人はみな決断力と確固たる意志に富んだ人ばかりのような印象を受けますが、ところがそうではないらしいところに、この統計の面白さがあります。

 

「明日からやるよ!」 (Demain je m'y mets!)というのはフランス人が相手に、あるいは自分自身によくいう言葉なのです。 今回の統計で分かったことはフランス人が実はこの「先送り症候群」のチャンピオンともいえるということです。

 

49%のフランス人は仕事中に最低1時間はこの先送りをしているといっています。22%は毎日2時間は先送りをしているということです。 これは仕事でばかりではなくて家に帰っても同じなのです。 家でみんなが先送りすることのチャンピオンは、物事を整理することです。これがほとんどの人が毎日毎日先送りしているようです。 家事や小さな仕事や修理なども非常によく先送りされます。40%前後の人がそうしているという統計が出ています。 運動なども36%の人が先送りしています。 買い物を先送りする人が14%、台所をするのを先送りする人が11%、そして驚くことに、バカンスの予約をするのを先送りする人までいるのです。

 

こうした現象が顕著になったのは、ITの普及が大きく影響しているということです。そうした技術のおかげで先送りする理由付けがいくらでもできたのです。 ここ40年の間にこの先送り症候群は300%から400%も増えたということです。

 

『私は先送りをやめる。なんでも明日に先送りするのを21日でやめる方法』という本を書いた Diane Ballonad Rolland は次のように言っています。

「こうした行動は自分に対する評価ということに大きな影響を持っています。この現象に深く入り込めば入り込むほど自分が一つの計画を最後まで成就するという力を持っていることを信じられなくなってくるのです。そしてその気持ちは時とともに増してきます。」

 

 

 スマートフォンを何気なくいじること、SNSをやって時間を過ごすこと、テレビを見ること・・・先送り症候群の人々のやることはいくらでもあるのです。先送りするための弁解と同じくらい多くのことがあるのです。

64%の人は、こう言っています。「私は最良のコンディションでやるために先送りしているのです」もっとも、この最良のコンディションというのはいくら待っていてもやってこないことが多いのです。

46%の人はストレスを少なくするために先送りするといっています。

42%の人はもっと幸せであるために先送りするといっています。

42%の人はより効果的であるために先送りするといっています。

客観的に見ると先送りするということは、75%の場合により高くつくということがわかっています。

 

フランス人たちはこの先送り症候群と逆説的な関係を持っているといえます。彼らはストレスを小さくするために先送りするのですが、同時にそうすることによって最終的により損害が大きくなることも自覚しているのです。69%の人が先送りすることでより高くつくことを自覚しているのです。先送りすることで64%の人は急いでやらなくてはいけなくなり、40%の人はアポイントに遅れて着いているという統計が出ています。 同じく40%の人は結局予定していたイベントに参加できなくなっています。22%の人は、先送りのためにペナルティーを払わされています。

 

どうですか、みなさん。実際のフランス人がジャン・ギャバンやアラン・ドロンのイメージとは遥かに離れたところにあるということがお分かりになりましたか?

 

大臣を9日でやめたThomas Thévenoud は自分が行政恐怖症だと公言してはばからない人でした。彼はこの「行政恐怖症」という言葉を知的登録させています。 彼もなかなかの先送り症候群のチャンピオンで、数年間税金を払っていませんでした。家賃に至っては3年間滞納していました。2011年以来自分の娘たちの給食費を払っていませんでした。

 

哲学者のセネカがこういっていますね。

「なんでも後回しにしていると、そのうち人生が僕たちを追い抜いてしまうのさ。」

 

テーマ:先延ばし症候群、フランス人、統計

 

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