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歴史的建造物と現代アート

2017年04月30日(日)

お城というとそこには長い長い歴史があります。

       

その壁からは代々住んできたファミリーの語り掛ける言葉がこだまし、誇大妄想的な夢や数々の失敗や怨念が伝わってくるようで、いかにも独特な雰囲気が保たれています。


オワロン城もその例外ではありません。

       

 

オワロン城は、前世紀の半ばごろにはドウ・セーブルの田舎の中にうち捨てられていた廃墟のようなものでした。

 

しかし、このヴェルサイユ風のお城は、今文化の中心地としてよみがえりつつあります。

 

 


|これまでのオワロン城

観光地として、オワロン城は好条件に恵まれているとは言えませんでした。

 

最もマイナスに捉えられていたのは、観光名所として有名なロワール川の城めぐりのルートから少し外れていることです。

ロワール川の城めぐりの舞台となるお城のたちは、オワロン城のもう少し北に位置します。

 

また、このオワロン城ではブドウもとれませんから、シャトー独自のワインを楽しんでもらうこともできません。

 

さらに、オワロン城に来るには、田園を横切っていくようなのですが、その田園風景もたくさんの人をひきつけるような特別な魅力があるとは言いにくいものです。

 

こうした弱みを持っていたオワロン城は、いかにしてよみがえったのでしょうか?


 



|オワロン城の価値創造―現代アートとの融合

国立記念建造物センターの1990年代の努力により、オワロン城は蘇りました。

 

それを成功させたのが、現代アートの力です。


1993年以来、現代アーティストの作品がこの16世紀のお城に展示されるようになりました。

 

この計画の発案者である Jean-Hubert Martin は、お城の見学者たちが一つの扉を開けるたびに、目の前に新しい現代アートの作品を発見するというスタイルを目指し、構築してきました。

 

 意表を突き、輝かしく、遊ぶ心に満ちていて、あたかも最新の現代芸術と数百年の歴史を持つお城の壁との間の対話のように。

 

観光ルートから少し離れているため場所にあったからこそ、非常に独特な立ち位置となったオワロン城は、常識的な観光名所の概念から離れ、新しいアイデンティティーを発見することができました。



芸術作品の存在ということが、この城の中心的存在となり、創作こそがこのお城の中心的なテーマとなりました


 

時が止まったかのようなオワロン城は、現代アートによって生命の息吹を与えられたのでした。


 

今では、芸術作品が、この場所、歴史そして風景と対話を続けるのです。


 

このように新たな歴史を刻んできたオワロン城は、創作ということに関心を持つ人にとって避けて通ることのできないものになりつつあります。



 

このお城を訪ねてくる人は実にいろんな方面の人がいます。

 

一部の人々は、古いお城を見に来てそこに芸術作品を発見し、その芸術作品が、彼らに疑問を投げかけ、関心を新たにさせ、意表をついてくるのです。

 

いずれにせよそれは感動や動揺を与えます。

おいしいワインを味わうことができない代わりに、オワロン城を訪れた観光客は、芸術作品とその空間を存分に味わい、酔うことができます。

 

 

 

|若者による展覧会

2017年 6月4日までは若い芸術家たちがいたるところにある城の隙間に意味を与えるために自分の創作をするという試みをしています。

 

 そのテーマも、建築と肌理を合成して作った “architexture” です。

 

これは、お城を囲む田園や近隣の人々との関係を紡ぐ試みでもあります。

 

若い芸術家の一人であるJulie Fortier はこう言います。

私は夏の朝にお城を囲む田園を散歩するときに感じる臭いを再現するという試みをしてみました。それは声明への再帰であり再生です。雨の後の田園が土の臭いとそこに生きている草木の臭いを私たちに与えるようなものです。土の中の種は飲んで成長してくるのです。

 

このお城の所有者であったGouffier 家族の家訓が 

 

”Hic terminus haeret” (すべての物事はここで決められる)

 

というもので、この家訓がお城のあちらこちらに見られます。

 
オワロン城が積み重ねてきた歴史が、アーティストの作品や空間に力を与え、またこうして芸術との対話ということがこのオワロン城を再び世界の舞台に引き出してくれるに違いありません。

 

今後の熟成が楽しみな文化のハブであるといえます。

 

 

テーマ:歴史的建造物、現代アート、オワロン城