フランスの英雄

2018年04月02日(月)カルチャー 

3月24日に南仏カルカソンヌのスーパーマーケットでイスラム国を名乗る男によるテロがありました。そこで、人質解放のために自分が身代わりになると名乗り出たジャンダルムの大佐が殺害されるという事件が起こったのです。彼がテロリストと戦いを始めた時に特殊部隊が突入してテロリストを撃ち殺したのですが、大佐も大けがをして病院で死亡しました。

 

 

追悼

病院に駆け付けた母親に一言、彼はこういって死んでゆきました。 「母さん、僕は自分のやるべきことをやっただけだよ」

 

母親曰く:

「彼がこういって死んでいっても少しも驚きません。あの子は昔からこんなだったんです。彼にとっては国のために尽くすこと、それは自分の生きている意味だったのです。」

 

 彼の妻はこういっています。

「 彼は本質的にジャンダルムだったのですよ。でも彼の個人的な信仰を忘れては彼の犠牲は理解できないと思います。アルノーは30歳くらいになってから、強い信仰心を持ち始めました。私の夫の葬儀はちょうど聖なる週の真っただ中に行われます。金曜日に彼が死んで、それも枝の主日の前夜だったんです。私にとってこのことは単なる偶然ではないように思えるのです。私は多くの希望を持って彼と一緒に復活祭の復活を祝えるのを待っているんです。 軍隊の神父さんがこういいます。 超越的な次元を心の中に持っている人は、現実が地上の生命を超えるものがあると確信して必要な犠牲に対面することができるのですよ。」

 

 皆さんはフランス社会党の重鎮でフランスに死刑制度の廃止を打ち立てたRobert Badinter をご存知でしょうか?彼は今年90歳になります。彼の大佐の犠牲的精神に対する賛辞をここに全文掲載いたします。

 

”Beltrame は英雄として死んだ、すべてのフランス人、あらゆる出自、あらゆる階層の人々の賛辞と涙がそう宣言するのだ。英雄とは、自分の理想のために自分の生命を犠牲にすることをいとわない人のことだ。しかしこの偉大さの先にわたくしたちはこの犠牲の意味、彼が死ぬことを選んだその動機について考えなくてはいけない。なぜならば、醜悪な動機もあるからだ。テロリストの動機がそうだ。無垢な犠牲者たちの中で自爆する聖戦主義者たちは極悪非道の行為をおかすのだ。しかし彼らのイデオロギーの信奉者にとっては、自爆テロリストは、殉教者なのだ。我々にとっては殺人者、彼の仲間にとっては殉教者。しかしそこには同じ一人の自爆テロをする人と同じ行為しかない。そんなわけで、われわれの英雄 Beltrame 大佐について、その犠牲の意味を真にはかるためには、彼の行為の意味をよくよく考えなくてはいけない。 Beltrame 大佐は死んだ。なぜなら、彼はほかの人々の生命を救うために自分の命を与えたのだ。それは最も高貴な同胞愛の表れだ。彼の犠牲は、聖戦主義者の犯罪の対極にある。聖戦主義者はほかの人々が一緒に滅びてゆくためにあるいは彼のために滅びてゆくのを目的として死ぬのだ。スペインのファシストがかってトレドの廃墟の中でこう叫んだように。「死よ万歳!」聖戦主義者たちは死に対する信仰を持っているのだ。Beltrame 大佐は全く正反対の行為をしているのだ。彼は無垢な人の生命を救うために自分の命を差し出したのだ。世代から世代へと彼の思い出が伝わりますように。彼は人類全体の動機のために尽くしたのだ。ありがとう。大佐! ”

 

 

テーマ:テロリズム、英雄

 



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