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変わりつつある仏ワイン酒蔵

2017年05月08日(火)

 

フランス・イタリア・スペインがヨーロッパの美味しいワインを作っていたころは、フランスのワイン造りたちが長い間に積み上げてきたノウハウを追い越すのは並大抵ではありませんでした

 

しかし、カリフォルニアのナバレーのワインがフランスワインを追い抜いたと言われ最近ではチリやオーストラリアのワインがそのコストパーフォーマンスで世界を席巻しだしています。

 

こうして、フランスのワイン製造も今までの栄光にふんぞり返っているわけにはゆかなくなってきました。

 

 ボルドーやブルゴーニュ地方のワイン畑の中に古色蒼然とした佇まいで構えているお城の中で美味しいワインを作っていた時代は、まさに「去年の雪、いまいずこ」と謳ったフランスの詩人ビヨンのように遠い昔の思い出の中に消え去ろうとしています。

 

 

●変わりつつあるワイン酒造

現在フランスのワイン酒造の改革に取り組んでいるのは、一流で個性のある建築家たちです。

 

彼らは、実際に現場に出ているワインの製造者たちと話し合い、新たなワイン酒蔵の設計を次々に企画・実現しています

 

Christian de PortzamparcのCheval Blanc城の建築

 

ワイン畑は、昔のように十把一絡げで広大な土地を管理するのではなく、各小さな区域ごとにとれたブドウを使ってワインを醸造するという手法に変わってきましたこれにより、安定した品質のブドウを供給できるといいます。

 

また、新しい酒蔵では、小さめのステンレスの樽がたくさん並び、全てコンピューター制御になっています。醸造されるブドウは、昔のように樽の中へポンプで送り込まれるのではなくて、重力を利用して流し込むようになりました。この方がブドウにストレスを与えないといいます。

 

何より、これまでのイメージを覆すのが、酒蔵の外観です。

現代美術館のように大きなガラス張りに設計された酒蔵でブドウは醸造されています。

 

Jean NouvelのLa Dominique城の建築

 

これは、見た目の美しさだけでなく、日光を取り入れやすい設計にすることで、醸造中に太陽光をあて、ワインの味や香りを変化させるのにべんりであるように設計されています。

 

樽をステンレス製にしたり、コンピューター制御で品質管理をすることに抵抗がしばらくの間あったのですが、結果としてワイン造りの最適化には今広がりつつある新しいワイン酒蔵へとつながっていっているようです。

 

今でもフランス人の心のどこかには、

"A bon vin, point d'enseigne."(良いワインに看板はいらない。)

といった誇りがあります

 

アメリカやチリに負けてなるものかという気概を感じます。

もっとも単にアメリカやチリのワインと対抗するためのコミュニケーション戦略ではありません。

 

変わりつつあるフランスワイン酒蔵は、新しいブランディング戦略であると同時に、ワイン製造上の技術力アップを目指した設計がなされているのです。

 

しかし何といっても、そこにはフランス人のワイに対する愛情が感じられるものです。

彼らは言います。

"Le vin, c'est plus qu'une oeuvre d'art, c'est une ouvre d'amour."

(ワインは芸術作品以上のものだよ。それは愛の作品だ。)

 

今後、観光地としても地域の中心的存在となっていくことが期待されている新たなワイン酒蔵地。

展開が楽しみです。

 

*フランスのワイン製造業の現地視察、現地交流会のオーガナイズ、グランドツアーをご希望の方は、お問い合わせください。

       

 

テーマ:フランスワイン、酒蔵、変化