パリのブキニストの危機

2018年05月08日(火)カルチャー 

パリのスズメ (moineaux de Paris) 、マロニエの並木道、・・・パリを代表するもの、パリの風物詩はずいぶんとたくさんあります。そこは文化的な歴史の長さを感じさせますね。

そんなパリの文化を代表するものの中でも、今でもファンが多いものに、セーヌ河畔の古本屋さん、通称ブキニストがあります。セーヌ河畔のブキニストはパリの風景とは切っても切れぬものといえましょう。

 

●ブキニストについて詳しく知りたい方はこちら⇒「パリのブキニスト」

しかしながら、そんなブキニストが現在存続の危機に立たされているのです。

 

ブキニストの危機はなぜ?

ITの進化に伴い、古本探しにブキニストをめぐるパリジャンも少なくなってきました。 月に1000ユーロの売り上げも出せずに閉店状態のブキニストも多くいます。

ブキニストの出店には様々な条件があり、1週間のうち4日は開いていること、売っている本の4分の3は古本でなくてはならない(これは新本の本屋さんと競合しないためです。)ことなどがあります。 要するに与えられた4つの箱のうちの3つは古本を売れということなのです。

残りのひと箱は何を売ってもよいかというとそうではなくて、本に関係したものということで、絵ハガキや版画などが売られています。

この1箱に、中には旅行者向けのお土産品などを売り始めるブキニストもいて問題視されているのですが、旅行者向けのお土産品を売ると夏のシーズンで月に1万ユーロくらいは楽々稼げるといわれています。

 

いずれにしてもこのままではブキニストは滅びてしまうという危機感から、ブキニストのうちの一人Alexia Delrieu が名案を考えて、このパリのブキニストをユネスコの無形文化遺産に登録するという運動を始めました。

すでに、その景観の意味で1991年に世界遺産には登録されているのですが、ブキニストという文化の観点として認められることによってブキニストの復活を目指しているのです。

パリ市も各区の市役所も結構乗り気で運動をともに始めています。 しかしここでも厄介なことがいくつかあります。

まずユネスコに申し込むのは各国の文化省の仕事です。ですからパリ市は文化省に申し込むことになります。 文化省も乗り気ですからそこまでは問題ではないのですが、文化省は2年に一つしか無形文化遺産を申し込めないということです。

そのうえ最近はパリ市が街の緑化ということに力を入れているため、ブキニストたちのいる歩道にも多くの木が植えられています。そもそも狭い土地のため、ゆっくり散歩しながら古本をあさることが難しくなってしまったセーヌ河畔もあります。

 

次第に追い詰められて行くブキニストたちですが、フランスの小説を読むと必ずと言ってよいほど出てくるパリの風景の一つですから、存続してもらいたいものです。

 

 

テーマ:パリ、ブキニスト、存続の危機、無形文化遺産

 

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