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パリのブキニスト

2017年08月12日(土)


アナトール・フランスをはじめ、多くのパリジャン・パリジェンヌが、セーヌ河岸のブキニストを散策する楽しみを美しい文章に残しています。

 

ブキニストとは、bouquinisteと書きます。フランス語学習者は、最初のほうで覚える単語に本=(un) livre とみなさん習っていると思います。本を、もっとくだけた言い方で言うと(un) bouquinです。

そのbouquinを売っている人たち、店のことを、次第に“bouquiniste”というようになり、特にセーヌ河岸の古本屋をブキニストというようになりました。

 

 

セーヌ右岸は、ポンマリーからルーブル河岸まで、左岸はトゥルネル河岸からボルテール河岸まで、ブルキニストの店が連なっています。

 

パリ観光名所の一つでもありますね。

 

河岸の手すりの上に固定された箱の中に並べた古本を見ながら散策するのは楽しいものです。

 

 

現在ブキニストは240人くらいいて、一人当たりに割り当てられた箱の数が4個以下と制限されています。つまり、約1000個の箱がセーヌ河畔に並んでいて、そこにある古本の数が約30万冊です。

 

このブキニストになるには特別な資格は必要なく、パリ市に候補を提出すれば審査してくれます。

 

一旦審査に通ると、賃貸ではなく無料で場所を貸してくれます。

支払うべくタックスもありません。

 

ただし、いくつか厳しい制限があります。

まず古本等を入れるのに使っても良い箱は4つまでで箱の大きさも厳しく決められています。

長さが2メートル、幅が75センチ、高さはセーヌ川側が60センチ、道路側が35センチです。

 

1週間のうちに4日以上オープンしていることも条件となっています。

 

 

このセーヌ河畔のブキニストの歴史は結構古く、16世紀にはこうした本屋さんが並んでいたようです。

 

その当時は正規の本屋さんたちと利害が衝突したようで、本屋さんたちの圧力で、1649年にはポンヌフ上ではこうしたブキニストが店開きをするのを禁止する規則が発布されています。

 

このブキニストたちは、紋章も持っています。

それが剣を眺めているトカゲなのです。

トカゲは常に太陽を探し求めているブキニストたちを象徴していて、剣は彼らの高貴なる職業である本屋を現しています。

当時は本屋は剣を持って良いという特権がありました。

 

ブキニストたちが許可を得られる4つの箱のうち、一つは本以外のものを売っても良いということになっています。

ですが、最近は旅行客目当てに、旅の思い出や絵ハガキあるいは小物など多く売り出しているブキニストが出てきており、ブキニストの歴史を破壊するものであると一部の人から顰蹙を買っています。

 

このブキニストはユネスコの世界遺産にもなっています。

パリの散策とセットのような楽しみにがありますから、長い伝統を伝えていってほしいものですね。

 

 

 

 

テーマ:ブキニスト、歴史、事情