モナ・リザが再びルーブルを留守に?

2018年04月05日(木) アート 

マクロン政権の文化大臣 Françoise Nyssen がルーブルにある傑作を地方の美術館に貸し出し、フランス国内の文化的格差をなくそうということを打ち出して話題になっています。 この政策の中で、地方に貸し出そうという傑作の一つに、あの有名なモナ・リザが入っているからです。

 

 

モナ・リザ移動に伴う損失

モナ・リザがルーブルを留守にした最後は、1974年にモスクワを経由して来日した時でした。その10年前には当時の文化大臣であったマルローの一声でルーブルの学芸員たちの反対を押し切って3か月間アメリカ(ニューヨークとワシントン)で展示されています。

 

44年も前、当時すでに反対がありましたが、今では学芸員をはじめとする美術館関係者の話では、このモナ・リザはとても旅に耐えられる年ではないということなのです。

薄い板の上に描かれたダ・ヴィンチの傑作はすでにひび割れや板の反りがあり、ルーブル美術館自身もモナ・リザが陳列されているホールから一度も動かしたことがないということです。

 

最近日本で流行った言葉のように、関係省庁の役人たちが大臣の気持ちを「忖度」しておかしな決定をしないように牽制するためか、ルーブルがこんな報告を発表しています。

3か月間モナ・リザを移動させるといくらくらいかかるかというシミュレーションです。

まず、もしルーブルにモナ・リザがなければ、入場料収入が約1300万ユーロ(約17億円)減るというのです。ルーブルへ来る人の90%以上がモナ・リザを見てゆくそうです。

入場者が減るということは本やアクセサリーあるいはレストランでの収益が減るということになりますが、これが約750万ユーロ(約9億7000万円)です。

もっと直接にかかる費用として保険、包装、運送、セキュリティー等々にかかる費用が最低800万ユーロ(約10億4000万円)はかかるということなのです。

 

私たち「フツーの人」からすると大変な金額ですが、アラブの王様の旅行などもこれくらいは楽々かかっているのではありませんかね。

そうしてみるとアラブの王様の個人的な旅行と違い、人類全体の文化に貢献するということを考えたら、せっかくルーブルの学芸員たちが牽制球として投げても、この費用が掛かりすぎるという議論はあまり説得力がないのかもしれませんね。

 

 

テーマ:モナ・リザ、移動、経済損失



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