“芸術テロリスト”バンクシー

2018年10月10日(水)カルチャー 

世界で最も有名な現代アーティストといっても過言ではなくなってきているバンクシー Banksy。「芸術テロリスト」と呼ばれるバンクシーの名前をさらに世界に広める出来事が10月4日に起こりました。

 

 

「再び始めるために、破壊するということ」

バンクシー の存在は謎に包まれています。バンクシーのプロフィールでわかっていることといえば、Bristol 生まれのイギリス人アーティストで、消費主義、アメリカ風の帝国主義、難民の運命、こういった世界の問題の抗議をテーマにゲリラ的に各所に出現し、ストリートアートを展開しています。そして、常に匿名です。 現在のところ、彼の写真は公開されていません。

 

そんなBanksy の代表作『少女と風船(Girl with Balloon) 』が4日のサザビーズのオークションで104万2000ポンド(≒約1億5000万円)の価格で落札して話題を呼びました。

さらに話題になったのは、落札になった瞬間、額縁に仕掛けられていたシュレッダーで作品が半分ほどバラバラにされてしまったのです。

 

インスタグラムにBanksy がビデオを投稿し、数年前にシュレッダーを仕掛けたことを明かしました。競売にかけられた時のことを考えたのです。

このビデオにはオークションの会場が写されていて、ピカソの次の言葉が引用されていたということです。

「再び始めるために、破壊するということは何という喜びを与えるものなのだろう」

 

何とも珍妙というか、こうして作品が破壊されたのですが、そのことによって作品の価値がさらに上がったと言う人もいます。

「シュレッダーにかけられた作品がさらに価値を持つということは大いにありうることです。その作品は、絵画史上では今まで誰もやらなかった最高の悪ふざけの物体となったのですから。」

サザビーでは落札を決めた人と話し合っているということですが、まだ、次にどうするかということは決まっていないようです。

 

芸術テロリストの様々なアクション

こうした思いもかけない方法で Banksy はよく動きます。

2013年には、セントラルパークの近くにスタンドを作り、20点前後の作品を60ドルで売るということもしています。 今では常に匿名のバンクシーの作品ですが、この時売られた作品には、Banksy のサインも入っていたようです。

2016年には、シリア難民問題で揺れていたフランスのカレー地区にも登場しアップルの創始者Steve Jobsを描きました。

「ぼくたちはしばしば、移民は国の資源を食い尽くすと信じ込むように仕向けられるけど、スティーブ・ジョブスはシリア移民の息子だった。アップルは世界で最も採算性の高い会社の一つであり、年間の法人税は70億ドル以上を支払っている。この会社が存在するのは、単にアメリカがこのジプシーの若者を受け入れてくれたからだ。」

今年の6月にパリに登場した時の様子は、こちらの記事からどうぞ。

⇒『バンクシー ついにパリに現れる!

 

社会問題、世界の問題、当たり前に受け入れてしまっている問題、アクションを起こしていない問題に、バンクシーのアートとコミュニケーションは光をあて、考えるきっかけを鮮やかに与えてくれます。

 

テーマ:パリ、ストリートアート、サザビー、オークション、Banksy

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